posted on 2013年5月28日火曜日

破天荒ダービー

のぞむ
「博士~、この前のダービー買った?そして勝った?」


博士
「何!?学生は勝馬投票券を買っては行かんのだぞ!!」


のぞむ
「知ってるよ~。けどダービーは一生に一度の大舞台なんでしょ。ドラマを期待するじゃん!」


博士
「ふむ。今年はあのディープインパクトの仔にして武豊騎乗でギズナという名の馬が一番人気で勝ったからの。人々も夢を乗せて馬券を買ったことじゃろう。」


のぞむ
「破天荒吉村が3連単で万馬券を取ったらしいよ。ピカルで言ってたJRAからのCMは来なかったようだけど、十分稼いだね。」


博士
「平成ノブシコブシの吉村か。彼は番組でもハンデ付きながら現役ジョッキーとの勝負に勝ったり、意外な才能を見せておったな。

  しかし配当は番組で買わされた時計の代金253万だかを払うとか、税金の申告をするとか破天荒とは程遠いことを言っておったそうじゃ。」


のぞむ
「ま、破天荒はキャラだからね!
  けど博士、そういえばこの前、外れ馬券を経費に認めるとかなんとかニュースになってたけど、アレはなんなの?」


博士
「払戻金で30億もらったけど、全ての馬券購入に28億以上かかっていて、実際の儲けは1億4000万だかというやつじゃな。

  要はJRAから30億もらったんだから30億にかかる税金を納めなさいと国税庁は言っておる。ちなみに3年間で5億7000万だそうじゃ。

  しかし、馬券を買うのに28億以上かかっているのだから、手元には1億ちょいしかない。だから払えるわけないでしょ、という話じゃ。

  判決では、馬券購入費用を経費と認め、差し引いた1億4000万に対して課税するから払いなさい、ということじゃ。」


のぞむ
「競馬で勝ったのに税金がかかるの?意外~。せっかく当たったあぶく銭くらいパーっと使えればいいのに。」


博士
「うむ。宝くじやサッカーくじはかからんからな。ただしこれは売上の一部が自治体などに納められるからであって、すべての懸賞類に認められてるわけではない。」


のぞむ
「野球賭博や相撲賭博は?」


博士
「…それ自体非合法じゃ。君、分かって言ってるじゃろ...

  そもそもこの裁判、問題は大きく2つあったのじゃが、わかるかな?」


のぞむ
「金額が吉村と違って破天荒なところと~、あ、わかった!吉村と違って破天荒に申告しなかったことだ!」


博士
「もう吉村は関係ないぞい...

  じゃが、内容はなかなか鋭い。ひとつは課税されるのが30億なのか1億4000万なのか、もうひとつは課税申告をしてないことじゃ。

  申告をしないということは、脱税となり、追徴されたり刑事罰を課せられたりする。だからこのケースは"脱税事件"である。ただし、まともに申告しても払えない額の税額を言われるのだから、申告後、逆に課税対象がおかしくない?という裁判を起こしてもよかったんじゃろうがな。どのみち、世間は課税された方に同情的ではあるな。」


のぞむ
「けどそもそも馬券を買うのに28億もあったのがスゴくない?最初から金持ちなら、競馬なんてしなくたっていいのに。破天荒だけどさ。」


博士
「最初から28億あったわけじゃないじゃろう。もちろん、ある程度元手はあったろうが、買っては増やし、時には負けたり、もはや投資じゃな。だから経費が認められたわけだが。」


のぞむ
「けど、これだけ世間を賑わせたなら、この人が作った競馬必勝法なんて出したら売れるだろうね~、ジュル」


博士
「これ、変な妄想はしない!

  ふむ、この人がどうやったかは興味深いが、逆にこのネタにかこつけた詐欺商材なんかが出回る恐れもあるな。のぞむくんのようなヨダレを垂らした輩も多いじゃろうから気を付けんとな。」


のぞむ
「ぼくはそんなネットの見ず知らずの人を信用するほどお人好しじゃないやい!
  それより博士。早く競馬の研究をして必勝法を編み出してよ。そしてうまいこと財産をぼくに引き渡す法の抜け道を…」


博士
「。。。君だけには教えんよ」


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