posted on 2013年7月31日水曜日

TPPについていろいろ思う

のぞむ
「博士、こんにちは。」


博士
「のぞむくん、こんにちは。SBRは読み終わったんかな?」


のぞむ
「うん。一気に読んだけど、内容が濃すぎてね。改めてまとめることにするよ。」


博士
「そうか。で、今日はなんじゃい?」


のぞむ
「TPPって未だによくわかんないんだけど、何がどう問題なの?ティーなんたらパシフィックパートナー協定だから、パ・リーグが儲かる交流戦のことかと思っていたよ。」


博士
「野球は関係ない。というか、交流戦に協定とかないから。確かにパ・リーグは貯金だらけだが。

  正式には『環太平洋戦略的経済連携協定』で、通称環太平洋パートナーシップ協定と呼び、加盟国同士での経済の自由化みたいなもんじゃな。」


のぞむ
「この前郵便局でアフラックのがん保険を扱うとかニュースでやってたよ。外資系が入って来やすくなるってこと?でも既に外資系のものなんてたくさんあるじゃない?」


博士
「外国のものが国内に入ってくる場合、関税がかかったり販売における規制があったり、参入への障壁が高いのじゃ。もちろん、それを越えて利益を出せる商品は既に入っているが、そうした規制がなくなればもっと利益も出せるし、他のサービスも拡充しやすくなる。」


のぞむ
「そうすると、もともと国内にあるもののライバルが増えて、売れなくなっちゃうってこと?農業なんかよく言われてるよね。」


博士
「そうじゃな。そうした自由競争により、価格はもちろん、品質やサービスの向上につながり、しいては経済の活性化を図ることが目的とされているが、日本の農業などは企業のように競争力があるわけでもないし、それを求めているわけでもない産業もある。関税などの規制はそうした産業を国が守ってきたことでもあったのじゃが、すべてを自由化すると、その国の文化や社会構造まで変えてしまう恐れもあり、慎重論や反対論も多いの。」


のぞむ
「競争力ってそんなに必要なのかな。確かに独占だったりすると価格が下がらないとか、黙ってても売れると手抜きになったりすることもあるけどさ。結局外からつつかれてあおられると、無理なコスト削減や納期だったりして、マイナスのほうが多い気がするな。ちゃんと向上心を持って仕事をするのが一番だと思うんだけど。」


博士
「その国の国民性や事情も異なるから、すべてにおいていいことばかりとはならんのだろうな。その前提で参加するかどうか、政府が判断するわけじゃから、重要かつ複雑な判断基準や対策が必要になる。

 大雑把に言うと、『誰かが損をしてでも国全体の経済を底上げをすることが国民のためとなる』という考えと、『一部が大打撃を受けて存亡の危機に陥るなら、全体が伸び悩んでもみんなで苦難を分かち合うべき』みたいな考えで対立するんじゃろう。立場によって意見は異なるし、全員を満足させられる答えは恐らくない以上、負担を強いられる側への配慮が何より大事になるのじゃろうがな。」


のぞむ
「消費者の意識も重要だよね。安いものだけを買うんじゃなくて、高くてもいいものを買うとか、日本の産業を守るために買うとか、ものによってはそういう意識も必要なのかな。外国の企業も売れないものをわざわざ国外で売ろうとはしないだろうし。」


博士
「ただ、売るための企業努力はするじゃろうな。そこで問題なのは消費者がものを選択する際に必要な情報が正しく公平に提供されるかどうかじゃ。」


のぞむ
「あからさまな製品比較だと問題になるけど、みんな自分のところのものを売りたいんだから、企業に任せると結局大きくて宣伝にお金をかけられる企業の勝ちになっちゃうよね。」


博士
「そうじゃな。みんなそれぞれの企業の為に頑張ってしまう訳だから、それこそ国などが公平に見んといかんのだが、今度は国同士の利害もあるわけじゃからな。それを調整するためのTPPなんじゃが。」


のぞむ
「そうまでしてグローバル化って必要なのかなって思っちゃうね。今じゃ国際化って当たり前のように言ってるけど、現状の問題点までグローバル化したら余計解決出来なくなっちゃうんじゃないかな。」


博士
「先細りや停滞を気にするあまり、足元を救われんかということか。本来の原理原則を忘れてしまってはいかんな。」


のぞむ
「輸入や輸出だって、本来はその国に資源がないとか、足りないとか余ってるとかをみんなで分かち合おうってことじゃないの?今は安く調達出来るかどうかが基準になってないかな。グローバルな見方も大事かも知れないけど、それこそ現場あっての産業ってことをもっと重視しないと現場の理解は得られないよ。」


博士
「それを半分程度の投票率で選ばれた政治家に託すのじゃからな。」


のぞむ
「そうそう。こういう流れが主流なのは世界全体がどうかしてると思うんだ。それぞれの国でもっとやらなきゃいけないことがあるはずなのに、みんな誰かの顔を伺ってさ。お客さんじゃなく上司のね。どんなに偉くなっても変わらないってことは、それが人間の本質なのかねぇ。」


博士
「そこまで持っていきますか。まぁ現実問題、全体が崩れては細部に配慮も出来んから、順番としては間違ってはいないのかもしれんが、じゃあ誰がそこを押さえるかはないがしろにされている感はあるな。結局弱者が損をする構図じゃ。じゃがこれは政治家だけで解決出来ない問題かもしれんから、これを期にもっと関心を持つ人が増えて、世界的に大きな流れを作らんといかんのかもしれん。」


のぞむ
「ぼくらに何が出来るかな?」


博士
「のぞむくんがさっき言ったように、国産のいいものを選んで買うとか、何が国産で賄えて、何が外国産も必要なのかなどの情報を集めるとか。それこそ市民目線で製品比較をしたっていいんじゃないかな?」


のぞむ
「なるほど!自由研究にピッタリだね!『排除しよう○○製品!』とか。」


博士
「あんまり過激にやるんじゃないぞい・・・」


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