posted on 2013年6月5日水曜日

ゆとり世代が次に大変な時

みらい
「はかせ~。また来たよ~。」


しょうこ
「お邪魔します、博士。」


博士
「おぉ、みらいちゃんにしょうこちゃん、いらっしゃい。のぞむくんも一緒なのかな?」


のぞむ
「そうなんだ。キャラをもう少し確定させたいから出番をって。


みらい
「何ごにょごにょ言ってんのよ!これだからゆとり世代は使えないとか言われんのよ。」


のぞむ
「ぼくらは『ゆとり世代』なのかな、それとも『脱・ゆとり世代』かな?」


しょうこ
「いずれにしても両方を経験して大人になるということね。」


博士
「そうじゃな、ゆとり世代と言われる若者たちが社会に出るようになっておるものな。教育だけでなく、時代もあるのじゃろうが、大人たちのほうが戸惑うことが多いらしい。」


みらい
「そうね。勉強もせず自分の好きなことばかりしてきたヤツラだから、何で仕事をするのか、とか、何故相手がこう言うか、とか分かんないのよね。」


のぞむ
「みらいちゃん、分かったような口利くねぇ。」


みらい
「あんたこそ口の利き方がなってないわよ!  あたしは小さい頃からパパやママの仕事するのを見てきてるから、大変さややりがいだってわかんのよ。何となくだけど...」


博士
「そうじゃな、家族のふれあいも薄くなったり、家で仕事の話をする親も減ってきているのかもしれんな。話しても愚痴ばかりでは、子どももよい印象を持たんしな。そうしたものは時代なのかもしれん。」


しょうこ
「わたしの家は食事はみんなで一緒に、テレビは観ないで食べます。

  お父さんの仕事は世間からみたらつまらない仕事かもしれないけど、わたしたちを養うために一生懸命頑張ってるのが伝わるし、お母さんもそんなお父さんを一生懸命支えています。

  わたしも小さい弟たちの面倒を見ているので、とてもゆとりなんかはありません。でも、幸せですよ。」


のぞむ
「博士、何泣いてんの?」


博士
「ええ子じゃあ~。しょうこちゃん、君はとってもええ子じゃあ~。昭和の美しい家族の姿じゃ~。」


みらい
「ちょっと古くさいわよね。けど、そういうのを隠さずにはっきり言っちゃうのがしょうこよね。だから一緒にいて楽しいわ。」


しょうこ
「わたしとみらいちゃんじゃ、性格も育ちもまるで違うから、考え方とかすごく新鮮よ。みらいちゃんといると、出世しそうな男の人が分かるようになってきたわ。学級委員になりそうとか、生徒会長になりそうとか。わたしは成功した殿方を陰で支える女でありたいわ。」


みらい
「どんなにいい男でも、あたしに負けるような男はダメね。それとパパを超えられる可能性を見せてくれなくちゃ。」


しょうこ
「三井住友VISAプラチナカードのCMいいわよね。建築家の父と娘のやりとり。あんなお父さん、ちょっと憧れるわ。」


みらい
「はん!あたしんちのほうがスケールでかいわよ!パパだって、娘だって。なんならあたしんちにCMオファーすればいいのに。」


博士
「なんじゃ、しょうこちゃんもやっぱり男はカネなのか↓つつましい女子じゃと思ったのに。」


しょうこ
「あら、博士。家族の気持ちは分かるけど、わたしが作る家族はまた別よ。お金がなくても幸せなら、お金があったらもっと幸せでしょ。」


のぞむ
「あの~、そろそろゆとり世代の話を…」


みらい
「出た!出世のにおいのしない男!」


博士
「酷い言われようじゃの、のぞむくん。」


しょうこ
「博士からもしませんね。でも、今からでも幸せにはなれますのよ。」


博士
「むむむ。女子に押されぎみじゃわい。君たちが社会に出たら、それこそ大人たちは大変じゃわい。」


のぞむ
「ゆとり世代が上司になるのか~。ぼくらも大変かなぁ。」


みらい
「大変なのはヤツラのほうよ。仕事も出来ないくせに部下を持つですって。あたしがみんなツブしてやるわ!!」


しょうこ
「ゆとりだから仕事が出来ないっていうのは偏見よ。けど、会話は苦労しそうね。」


博士
「そうじゃな。大人たちからしたらどっちもどっちなのかもしれんが、若者通しで経験の違いが出てくるかもしれん。これからの、脱・ゆとり世代がどういう経験を積んで社会に出るか次第じゃが、ゆとり世代はダメだ、と決めつけてしまうと、下の世代にどんどん追い抜かれて空白の年代ができてしまう。今は社会で一番下の年代じゃが、上になったときにそうでは、社会構造がいびつになってしまう。」


みらい
「けどこれからは実力社会がより進むんだから、そうなるのは当たり前なんじゃないの?」


博士
「それが個人の実力なら、じゃ。単にゆとり世代というだけでレッテルを貼られてしまったなら、埋もれてしまう才能もあるじゃろうし、社会にとっても損失じゃ。」


しょうこ
「ゆとり世代を活かす教育が必要ってことね。」


博士
「うむ。今まさに大変な思いをしている大人たちが、彼らに社会を教え、溶け込ませてあげないといかん。言われたことが理解出来んのも、やって来てないんだから仕方ない、一から教えてあげよう、という気持ちで接しなければな。」


のぞむ
「ぼくらだって似たようなもんだしな。知識はいろいろあるけど、実際経験したわけじゃないし。大人たちやゆとり世代とうまくやっていけるかなぁ。」


博士
「さっき話していたが、みらいちゃんとしょうこちゃんが仲が良い理由、そこにヒントが隠されちょるぞ。お互い正反対だから面白い、と。二人とも、何故相手を受け入れられたのかな?」


みらい
「しょうこは他の人が言いにくいことも言ってくれるのよね。他の子はあたしの勢いに押されて言えないこととかも。」


しょうこ
「そうね、学力やお金で相手を見下す言い方をするからね。わたしもみらいちゃんの思ったことを何でも言っちゃうところかな。上から目線だけど、本質を突いてることも多いし、特に先生や上級生に楯突くとこなんかは憧れるわ。」


みらい
「こんな調子(笑)  言ってくれるわね。しょうこは人の話をじっと聞いて、いいこと悪いことをちゃんと判断するからね。熱くならず、冷静に。あたしの持ってないものだわ。」


博士
「そこじゃよ!お互いが持っていないものを認めあう、それこそが秘訣じゃ。じゃがその前に、お互いが本音で語っておる。そこからお互いの持っているものを尊敬しあえる関係が生まれているんじゃないかな?

  ゆとり世代ももしかしたら自分たちが経験していないことから何かを得ているのかもしれん。なにせ、ゆとりはあったんじゃから。相手を偏見の目で見るのではなく、自分と異なる経験を持つ者として見ることで、相互理解のきっかけになるかもしれん。」


しょうこ
「ゆとり世代はきっとうちのお父さんのように地道な努力でやっと地道な幸せが掴めるってことを知らないんでしょうね。テレビやネットでは一流の人の派手な話ばかりで、努力が必要なのは分かるけど、そうまでして一流にならなくてもいいや、みたいな。」


みらい
「パパの会社の人だって頑張ってる人がみんな報われてるわけじゃないって言ってたわ。けど、報われる人はみんな頑張ってるって。」


のぞむ
「こういうことを下の世代から言われるのは、実際キツイだろうね。こんなことをズバッと言えるのは本田△くらいだよ。」


みらい
「あら、あたしは本田圭佑に劣ってなくてよ。」


博士
「まぁまぁ、いくら正論とて、相手が受け入れてくれないと聞く耳を持ってくれん。やはりそこは大人の出番じゃな。今の社会が絶対正しい訳ではないが、やはり経験者や実績のある者が語る言葉は重い。

  それと、君らが社会に出たとき、ゆとり世代とその上の世代で指導の仕方が異なる、なんてことも出てくるじゃろう。その時にお互いを立てた上でいいものを取り入れ、悪いものを排除する、そんな役割も君らが担うことになるだろうと考えておくと、今からどんな経験を積んでおくとよいか、分かってくるのではないかな?」


のぞむ
「なんか、ゆとり世代のおかげで、ぼくらは大変だなぁ。」


博士
「世代、という漠然とした見方でなく、個人としてみて、その人の背景に何があるかを見れば、対処できるはずじゃ。そうした人間関係を築く経験を今のうちからしておけば、自分にとっても将来大きな財産となる。」


みらい
「あたしとしょうこみたいな、ね。博士のような大人の人と話すこともいい経験になると思うわ。博士、これからもよろしくね。」


しょうこ
「よろしくお願いします。」


博士
「うむ。いつでもいらっしゃい。なんならお友達も連れてくるといい。キャラ設定をできる範囲でな。おや、のぞむくんは?」





のぞむ
「何だかぼくの影がどんどん薄くなってきたよ。さすけの散歩にでも行ってこようっと。」


博士
「そうじゃ、今度さすけも連れてきなさい。犬と話せる装置もいよいよ完成じゃ。」


のぞむ
「うん!ネタが切れた頃連れてくるよ!!」
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