のぞむ
「こんにちは、博士。なんだかグタグダで国会が終わったらしいね。」
博士
「こんにちは、のぞむくん。参議院で問責決議案が可決されていくつかの法案が廃案になったというやつじゃな。ねじれ国会による混乱の一端なんだな。」
のぞむ
「ねじれ国会ってよく聞くけど、何が問題なの?」
博士
「衆議院と参議院で多数政党が異なるもので、野党が過半数を占める場合に出した法案が否決されてしまい政治が進まなくなってしまうことが問題なのじゃ。 」
のぞむ
「今は衆議院が自民党多数で、参議院が民主党多数なんだね。」
博士
「実際は単独過半数でないため、協力してくれる政党と合わせて、ということじゃが、大雑把に言うとそういうことじゃな。」
のぞむ
「自民党と民主党はどうしてあんなに意見が違うの? 何を言っても相手を否定するだけみたいに見えるよ。社会党の人は『なんたら内閣』とかうまいこと言おうとしてるだけみたいだし。」
博士
「野党の役割として、与党の案を精査して偏りが出ないよう別の立場から議論するということがあるが、モノによってはけなし合いになるときもあるな。感情的に映ることはたしかにある。」
のぞむ
「そもそも同じ政党だからって意見は同じとは限らなくない?議論とかの前に、別の理由で意見を揃えてるんじゃないかって勘ぐっちゃうよ。選挙の票とか党でのポストとかさ。」
博士
「もちろん、票やポストは議員にとって大事なものじゃし、党の方針に近い人ほど多く恩恵が受けられるのは当然じゃが、それが目的になって意見を決めてしまったらいかんな。問題なのは、そうでない議員はいるにしても、多くの国民には一人一人の議員の意見よりも政党の都合で意見が決まってしまっていると思われてしまっていることじゃ。」
のぞむ
「ちゃんと議論をして、各党が納得いく案にしていけば、むしろねじれていたほうがいろんな意見が取り入れられていいんじゃないの? ねじれ国会を問題にしている時点で、ちゃんと議論してませんって言ってるような感じがするんだけど。」
博士
「互いの立場で譲れん場合もあるから一概にそうとも言えんが、納得するのは各党でなく国民、ということは常に考えてもらいたいもんじゃ。」
のぞむ
「その『国民』もやっぱりいろんな立場があるんだよね。」
博士
「そうじゃな。例えば労働問題なら経営者側と労働者側で意見は異なるし、環境問題にしても地元住民と開発推進派など意見が180度異なる場合もある。だから、どっちも『国民のため』と言えば大義名分があるが、結果平行線をたどり、多数決で勝てるような戦術になってしまう。さっきと同じことじゃが、戦術ありきになってしまってはいかんのだが、そう映ってしまっていることに気付いて欲しいもんじゃ。」
のぞむ
「弱い立場の人の味方だ、って言ってる政治家が多いけど、実際はお金持ってる人の言いなりみたいな政治になっちゃってるような気がするな。いろんな面で直接支援してくれるのはそういう人たちだからねぇ。
選挙だって、一人一人に訴えても投票にも来ないなら、お金持ってて影響力のある人に頼んだり懇意にしたほうが結果に繋がるし。」
博士
「ふむ。建前と現実の苦しいところではあるな。そういう意味では国民一人一人の責任というのも積み重ねれば大きいことじゃ。政治家がダメだから投票しない→投票しない人の意見より投票してくれる人の声を聞く→弱い立場の意見なんて本気で取り入れないから政治家はダメだ、という悪循環の入口を作ってしまっているのかもしれんという自覚をもたねばならん。」
のぞむ
「民意、というのも難しいよね。東京都議選で維新の会がダメだったのも橋下代表の発言による民意、みたいなことを言ってたけど、みんな橋下氏の発言に頭にきただけで、それこそ今回落選した人の何が評価された訳じゃないしね。しいていえば、『あんなこと言う橋下の犬なんだろ』っていうことなんだろうけど。」
さすけ
「ぼくはパパさん家の犬です。」
博士
「ほっほっ、さすけには難しい話じゃな。まぁ、政治というのは難しいもんじゃ。何が正解か人により立場により変わってしまうものを、多くの人々の代表として表舞台で決断していかねばならぬのじゃからな。じゃからこそ、何かに流されるのではなく、自分の意見をはっきりと言い、より良くするための議論をいとわない人であって欲しいな。」
のぞむ
「そうした人を選んで行くのが選挙なんだよね。選挙についても言いたいことはいっぱいあるんだけど、博士、ちゃんと僕の意見も取り入れて投票してよ。」
博士
「そうじゃな。のぞむくんは投票権はないけど、この国のことを考える権利はあるはずじゃな。そうした議論を周りの大人としてみるのも民意のひとつじゃな。」
のぞむ
「さすけ、じゃおっさんとも話してみよう! あ、ここじゃないとさすけはしゃべれないんだっけ? ま、さすけの気持ちはおっさんは分かってるだろうから、ちゃんと考えて投票するよう話してこよう。」
博士
「子供たちの未来のため、という議員も多いが、そういう人も本当に子供たちと話してみるとええ。ひとりひとりがねじれていなければ、国会がねじれようがきちんとした議論は出来るはずじゃからな。」
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