posted on 2013年9月20日金曜日

プロ野球コミッショナーの仕事




のぞむ
「コミッショナー、ついに辞任しましたな。」


博士
「しましたな。辞め方まで微妙じゃったが。日本シリーズ前の意味が分からん。」


のぞむ
「広島が5割以下で日本一になってCS制度を叩かれるのを避けるのか、楽天が客席不足のまま日本シリーズ開催から逃れるのか。何にしても、やりっ放し感は拭えないね。」


博士
「統一球の件も結局うやむやだしな。『いろいろあって別の人がやったほうがいい』ってのは間違いじゃないが、それぞれの罪を拡散させてしまったようじゃな。功もあるのだろうが、今は評価させずに忘れ去った頃『歴史』として評価する気なのかの。」


のぞむ
「功なんてあったの?」


博士
「統一球を作ることに踏み切ったのは大きなことじゃと思う。当初どこまで考えていたのか知らんが、元々日本で作っていたボールの精度はとても高く、これまでいろいろなメーカーが作っていても問題になるほどバラツキがあったわけでもなかった。むしろ、メジャーでは既にローリング社一社が統一球として作っているわけじゃが、規定の範囲内でもバラツキが多く、作りも粗いもんじゃった。」


のぞむ
「そうだよね。アメリカの作るものはボールに限らず作りが粗い。海外旅行のお土産でもらうお菓子なんかも開けづらいし、食べづらいし。」


博士
「お菓子の話は知らん。

 で、ここへ来て野球の国際化が進み、そこで日本の技術力をアピールすべく精度の高い統一球を採用、とここまで考えていたかはわからんが、その足がかりとして日本のプロ野球での統一球だとすると、メジャーリーグ中心の世界の野球を平等に国際化させようという狙いとして、評価されるのかもしれん。」

のぞむ
「うーん、ずいぶん美化してるね。なんか貰ったの?」


博士
「これ!いやらしく考えるな!

  じゃが、そうだとしたら逆に野球におけるメジャーの影響を甘くみてたと言わざるを得んな。」


のぞむ
「バラバラの球でそこを気にせず歴史を作ってきたわけだからね。
  逆に日本の特にピッチャーは細かい違いに敏感になりすぎちゃった感もあるよね。」


博士
「質は悪くとも球は球、と考えるのか、やるからにはいい球を全ての国に選手に平等に、と考えるか、どちらが野球というスポーツにとっていいのか、ということじゃが、メジャーを懐柔するのならもっと綿密な準備や根回しが必要じゃし、かといって何もしないと何も変わらん。

  そういう意味で加藤コミッショナーは野球界をよく知らずに勇み足じゃが、何かを変えたいと行動した人、と後に評価されるのかもしれん。」


のぞむ
「世界で目立ちたかっただけなんじゃないの?」


博士
「それすらよく分からん辞め方をしおったから、悪く言えばズルいよな。じゃが、日本のプロ野球ファンを甘くみるなよ、とは言っておこう。」


のぞむ
「次期コミッショナーも決まってないしね。ハローワークとかで募集するのかな。」


博士
「んなわけなかろう。じゃが、ドラフトの時に常に電話を待っていたわしとしては、オファーが来ないかとワクワクしてしまうな。」


のぞむ
「それもないでしょ。あーあ、ぼくがコミッショナーになったらもっといい仕事するのになぁ。」


博士
「ほう、どんなことじゃ?」


のぞむ
「まず、コナミに行ってプロスピ・パワプロの査定を見直すね。なんなら、各球団のファン代表を連れていって議論させてもいいな。

  次にテレビ放映権の改革だね。田中の連勝やバレンティンのホームラン記録のかかった試合なんかは地上波でも流せるような融通を効かせる。

  あと、戦力の均等化でドラフト改革だね。完全ウェーバー制にしたいけど、くじ引きの良さもあるし、選手の想いも尊重したいし、難しい問題がたくさんあるけど、ファンが喜ぶようにやっていきたいです。」


博士
「なんじゃ、就任会見かい。最初はともかく、二つ目三つ目は難易度が高いぞ。」


のぞむ
「高野連との垣根や、メジャーとの協定もはっきりさせたいよね。でも、やっぱり原点は観てて楽しいことだから、毎日プロ野球観戦をする。メジャーや高校野球も観る。あぁ、それだけで楽しいなぁ。」


博士
「大変なことも多いにせよ、野球が好きであることは大事じゃな。昔も特定球団ファンのコミッショナーもいたそうじゃが、あからさまな肩入れをしてしまうとぶち壊しじゃが、ファン目線の改革は楽しそうじゃな。」


のぞむ
「実際は大人の利権に絡んだドロドロした世界もあるんだろうけどね。」


博士
「各界に通じている必要もあるぞ。プロ野球はビッグビジネスじゃからな。だから、お偉いさんの天下りだったりする必要もあるといえばあるのかな。」


のぞむ
「けど、そういう人がやってこれだけ問題になったんだから、あえて違うところから採用してもいいと思うんだけど。」


博士
「まぁ、いきなり一般人はないじゃろうが、そうして変わっていくことも必要じゃな。」


のぞむ
「何にしても、プロ野球が楽しくなることが一番だから、自分の評価とか報酬とか二の次で、皆に慕われる人にやって欲しいね。近鉄を買収しようかという頃のホリエモンみたいなタイプの人が今出てくれば面白いかも。」


博士
「今のホリエモンじゃ、世間的にも本人的にもやらんだろうけどな。ファンを巻き込んでいくカリスマ性はあるといいな。」


のぞむ
「カリスマ性か~。じゃ、博士は厳しいよね~。」


博士
「やっぱりそういうオチかい!」


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