posted on 2013年9月21日土曜日

薬をネットで買う時代




のぞむ
「博士って薬も作れるの?」


博士
「なんじゃい、唐突に。わしはなんだって作れるぞ。じゃが、薬とかはいろいろ決まりがうるさいから作らんな。成分の入手も面倒じゃしな。」


のぞむ
「ふーん、『作れない』んじゃなくて『作らない』、ね。了解。」


博士
「トゲのある言い方じゃな。今じゃ薬もネットで買える時代じゃからな。わざわざ買いに行かなくていいのは助かるが、いろいろ揉めてたみたいじゃな。」


のぞむ
「はー、ぼくも病んでた頃は薬が欲しかったよ。永遠に眠れる薬とか、苦しまずに逝ける薬とか。」


博士
「そういう輩がいるから、規制が必要なんじゃがな。ただ、結局は規制ありきになっていて、本来の目的や問題点は何も解決していないんじゃろうな。」


のぞむ
「いろんな言い分があるよね。医者や薬局、一般消費者やネット販売業者、薬で健康被害を受けた人達なんかも賛否や線引きがまちまちだから、誰が正しいのか分かんないね。」


博士
「まぁ、何でもそうなんじゃか、混乱する一番の理由は、薬という人体に影響が強いものだということなんじゃろう。薬と毒は結局同じものじゃからな。」


のぞむ
「でも薬に頼るというか、必要不可欠な人もいるし、病院でちゃんと視てもらう時間のない人や、薬局に買いに行けない人にとってはネットで買えるのはメリットだよね。」


博士
「病院にいく暇もない生活しか出来ないことも問題じゃがな。お年寄りなどが出かけずに買えるというのはいいことかもしれんが、果たしてそれほど『ネットで買う』ということが普及しているのかな?」


のぞむ
「ネット販売業者としては、普及させるためにも販売を解禁したいという言い分だね。」


博士
「じゃが、現在の市販薬でも第一類から三類まであって、副作用が強いなど服用に注意が必要なものは薬剤師が対面販売する決まりがある。その対面販売をどうするか、という問題がある。」


のぞむ
「メールとかで相談してもちゃんと伝わるかとか、そもそも薬剤師がいなかったり、薬剤師のふりして相談受けたり、逆に病人のふりして別の目的で薬を手に入れたりとか、ネットにしなければ起きないような問題が起きたりする恐れがあるからね。」


博士
「それがネットの負の面じゃな。いろんな問題があるが、根本はみんな自分の立場しか考えないと完全に成り立たないということじゃ。」


のぞむ
「売る人は売るだけで、買ってくれればそれでよし。

  買う人はとにかく面倒なく手に入ればいい。けど、まがい物や健康被害はゴメンだ。

  病院などは、なんかあったら誰が責任取るんじゃい。
みたいに、病気を治す・良くするという本来の目的がどっかへ行っちゃうと問題だよね。」


博士
「ネットに限らず、買い物なんて自己責任なんじゃが、どうも今の時代は騙す騙されないという要素が強いからな。便利になった反面、競争も過多となり、悪いこともしやすい環境が出来てしまっている。けれど、ネットでも『これは怪しい』『これは大丈夫』という判断が当たり前に出来るようになってくるのじゃろうし、いいものが残り悪いものが淘汰されるようになってくれば、こうした議論もスムーズに進むのじゃがな。」


のぞむ
「だからさ、薬事法がどうのじゃなくて、ネットが信頼して使えて、匿名性の危険や落とし穴の理解が普及して、ネットも実際の店舗のように捉えられるようになれば、消費者の選択肢が広がることにつながるわけだよね。ただ、薬っていう怖いものだから、慎重にならざるを得ないってことなのかな。」


博士
「この問題、楽天の三木谷会長が熱心に解禁を主張しているそうじゃな。楽天市場の長として、ネットのそうした問題も含めて先導してもらいたいもんじゃ。」


のぞむ
「ネット通販だって、利用したことない人はまだ多いだろうしね。簡単・安全・安いはもちろん、社会の一部としての必要性なんかももっとアピールしたほうがいいだろうね。」


博士
「ネット上の店舗が増えることで実際の店舗が売れなくなったり、そこで働く人の雇用が危うくなると思っている人もいるようじゃ。そうした産業構造の変化にもどのように対応していくのか、などという政府の見解もあってもいいかもしれん。」


のぞむ
「ま、結局ネットでピコッと操作するときはパソコンの前で一人でやるんだろうけど、分からない人は誰か信頼できる聞ける人が近くにいるようにしてやったほうがいいよね。自己責任自己責任っていうけど、聞くに聞けずに自己責任っていうのはちょっとかわいそうだし。仕組みを理解した上でやらないってことは出来るけど、やってみたいのに怖くてできないっていう人を減らしていかないと、悪い人たちはそういう人をターゲットにするんだろうから。」


博士
「薬なんて市販薬と並べて違法な薬を売ったり、製品に書いてない効能を謳ったり、買わせるための作為なんていくらでも出来るからの。

 製品名で検索したり、薬や飲み方に関する知識をネットから得られることくらいは出来たほうがいいのかもしれん。」


のぞむ
「ま、解禁が決まったからには、正しく運用されるように関わるみんなが気を使っていくようだね。駆け出しで問題があったりすると、逆行するのは不可避だし。」


博士
「わしも利用するかは分からんが、選択肢のひとつとして動向は注目しておくぞ。」


のぞむ
「あ、そうだ、三木谷会長と言えば、Kスタの客席増強、ホントお願いしまっス!仙台で日本シリーズ、やりましょうよ!」


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