posted on 2013年9月29日日曜日

【新聞一面】安保理シリア決議採択



博士
「今日は、緊迫するシリア情勢の話じゃ。」


のぞむ
「内戦が始まってからかなり経っているよね。国連の争点は化学兵器の使用についてだけど、市民のためにも早く終わらせて欲しいよね。」


博士
「うむ。内戦は2011年から続いていて、もともとは国内の民主化を求めるいわゆる『アラブの春』の延長とのことじゃが、実際はシリア国外からの勢力も多く、宗教的な対立やテロリストの存在など、混乱を極めているそうじゃ。」


のぞむ
「もともと火種の多そうな地域だよね。その国が化学兵器なんて持っていたら、他国への影響も大きいもんね。だからアメリカなんかはアサド政権を退治したいわけだ。」


博士
「イラク戦争もそうじゃったが、国連の介入とは言っても結局は『世界の警察』を自認するアメリカと、そのアメリカに主導権をとられたくないロシアなどの国との駆け引きになっているのが現実じゃな。たしかに化学兵器はいかん。が、それ以上に国際的な火種にもなりかねん恐れがある。」


のぞむ
「この前自衛隊の集団自衛権の話をしたときに、命を守るための人道的な大義名分云々って言ってたけど、それすらも次の主導権争いに利用している節もあるよね。」


博士
「外交や国際政治となると、国内のそれよりもさらに複雑で様々な思惑が絡み合っておる。じゃが、まとまるのを待っておったら多くの命が失われてしまう。『化学兵器の廃棄』という形で介入することで、内戦状態を落ち着かせることが出来るのは、ひとまずよいことなんじゃろう。」


のぞむ
「イラクのときのような泥沼はカンベンだね。」


博士
「そうじゃな。今回国連、というかアメリカはアサド政権の打倒までは言っておらんが、今回の決議を順守しない場合には制裁を行うといっておるから、落としどころを間違えるとイラクの再現となることだって十分考えられる。」


のぞむ
「実際、いつ頃までに決着がつくのかな。」


博士
「来年前半までに全廃、とのことじゃが、最大の難関であろう現地視察などはすぐに行われるし、撤廃に向けた段取りも11月頃にはあらかた決まる。それが順調に進んで、来年前半との計画じゃの。」


のぞむ
「現地視察って言っても、隠蔽やら虚偽報告やらいろいろごまかしそうだよね。時間稼ぎだってするだろうし。そこでモメると一気に過熱するか、後ろが延びるか、いずれにしても平和が訪れるのには時間がかかりそうだね。」


博士
「化学兵器の撤廃だけが平和の条件ではないしな。政権もそうじゃが、様々な問題が根強く残っている地域なだけに、緊張はまだまだ続くの。」


のぞむ
「長期化することで日本への影響だってあるかもしれないしね。それこそ石油ルートや中東の国々との関係によって輸入そのものにも影響するかもだし。」


博士
「そうじゃな。結局国連ではアメリカとロシアの主導権争いの図式になっておる。日本は当然アメリカ側じゃが、ロシア側を支持する諸国との関係にも影響するな。」


のぞむ
「アメリカとイランで核開発について話し合いをしているよね。穏健に進んでいるようだけど、その辺にだって飛び火することだってあるだろうしね。」


博士
「ほう。三面なのによく読んでいたな。今のところ直接は関係ないが、アメリカの置かれた状況が変わることでイランの出方が変わったり、他の諸国がからんできたりすることだってあるかもしれん。本当に外交というのは複雑に絡み合っている。」


のぞむ
「これも、ね。ホント根本的なものを絶たない限り対処対処でしかないんだろうけど、人種だったり宗教だったり歴史だったり、根本的にどうしようもないものを抱えているからね。どんなに時間をかけても埋まらない溝ってあるのかね。」


博士
「歴史が証明している部分もあるから、簡単ではないのは事実じゃが、人類の英知が進歩することによって必ずや解決できると思いたいな。そのためにはこうした現状や歴史、それぞれの意見などをもっと広く知る必要もあるな。」


のぞむ
「そうだね。今回の内戦のことだって、ニュースで耳にして知ってるくらいで、具体的なことは何も知らないもんね。背景が複雑で難しいし、遠い世界のことで実感が湧かないのをいいことに詳しく調べることもしないしな。」


博士
「まぁいきなり全てを知ることは難しいし、そのためにそうした専門家もおるのだが、これも興味・関心を持つところからじゃな。それを続けていけば知識も貯まるし、もっといろいろなことが見えてくるかもしれん。」


のぞむ
「博士も良く分からないことが多いんだね、この辺の話については。あ、決して非難したり制裁をするとかいうわけではないからね。」


博士
「むむむ。のぞむくんに同情されちまった。わしも勉強せんとな、とほほ。」


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