のぞむ
「今日はさすけの散歩で黒柴ちゃんに会ったよ。ね、さすけ。」
「今日はさすけの散歩で黒柴ちゃんに会ったよ。ね、さすけ。」
さすけ
「女の子のひばりちゃんです。9月19日で一歳になったそうですよ。」
「女の子のひばりちゃんです。9月19日で一歳になったそうですよ。」
博士
「ほうほう、ちんこい柴犬はかわええのう。初めて会った子なのかい?」
のぞむ
「うん、じいさんが散歩してたんだけど、19日に娘さんが東京から連れてきたって言ってたから、きっと初めてだよ。」
さすけ
「猫ちゃんと同じ小屋に入ってるって言ってました。でも、ひばりちゃんも仔猫ちゃんもどっちも嫌がんないんだって。いいなぁ、猫ちゃんと仲良く出来て。」
のぞむ
「さすけは猫ちゃんには、フーって言われるもんね。」
博士
「散歩中の出会いは楽しいもんじゃな。よく声はかけるのかい?」
のぞむ
「うーん、挨拶はするようにしてるけど、なんとなく犬同士を近づけるのを避ける人が多いよね。さすけもウーって言ったりすることもあるから、お互い気を使ったりして。」
さすけ
「ちょっと怖いだけですよ。ホントは仲良くしたいのに…。」
のぞむ
「そのくせあなた、相手より飽きるの早いですよね。」
博士
「さすけの真意はさておき、気性の荒い子がいるのは確かじゃからな。保険の意味で必要以上に避ける人もいるがの。」
のぞむ
「そうだね。リードで繋がれてることも影響してるのかな。最近行ってないけど、ドッグランとかだと大抵の子と普通にあいさつ出来てたと思うけど。」
さすけ
「相手の間合いが分からんのですよ。急に来られるとイヤだから、ディフェンスするんです。」
のぞむ
「それは相手も一緒だよ。君の目の匂いを嗅ぐのに戸惑う子も多いよ。」
さすけ
「そうかなぁ?何でだろう?
ぼくは駆けずり回ったりガウガウじゃれあったりじゃなくても、近くにいて一緒に歩いたり出来ればいいんだよ。それぞれが好きなとこクンクンしたりしてさ。
そのためには、まず目の匂いを嗅がなきゃ。」
博士
「その理屈がよく分からん。まぁどう遊ぶかや社交性は飼い主に似るからな。ひとり遊びの好きなのぞむくんと散歩をしてれば納得なところかな。」
のぞむ
「柴犬のオスってことで敬遠されることもあるよね。さすけも去勢してるけど、足あげておしっこしたり、やっぱりオスなところが出ているのかな?」
さすけ
「ちっちゃい頃は男の子とか女の子とか気にしなかったけど、最近ウーってしちゃう子は男の子のほうが多いのかな?けど、男の子だからって誰でもってわけでもないし。」
博士
「一般的にオス同士はケンカすると言われているが、必ずしもそうでもないんだな。その子の性格や犬同士の社交性の経験や環境が大きいんじゃと思うぞ。」
のぞむ
「人と一緒だね。犬見知りする子や、人が大好きな子、警戒心の強い子。みんな違ってみんないい、だね。」
博士
「犬だって友達を選ぶ権利はあるからな。飼い主がそうさせたい、というのが必ずしも当てはまらんということかの。」
のぞむ
「三角関係とかもあって面白いよ。トイプーのハルくんは、キャバリアのれんちゃんが好きらしいけど、れんちゃんはそうでもない。れんちゃんはさすけを好きらしいけど、さすけは素っ気ない。さすけはハルくんに近づこうとするといつも吠えられる、みたいな。」
さすけ
「れんちゃんは好きですよ。ちゃんとあいさつしたら、後はそんなに興味がないだけですよ。一緒にいてくれると嬉しいですよ。」
のぞむ
「さすけの興味は分からないからなぁ。飼い主にすら尻尾ふったり飛び込んでいったりしないもんなぁ。」
博士
「ひばりちゃんの写真でも撮ったのかい?」
のぞむ
「ううん。初対面だし、じいさんだったし。この辺りだと、あんまり写真を撮ったりするのを見かけないしね。犬ブログとか見ると、散歩するの大変だと思うくらい写真撮ってる人もいるけどさ。」
博士
「そうじゃな。あんまりバシバシ撮ると嫌がる人もいるしな。写真を撮るのに夢中で犬同士がケンカでもしたら大変じゃしな。」
さすけ
「ぼくもカメラとかスマホを向けられると緊張します。動いちゃいけないみたいで逆に逃げちゃう。」
のぞむ
「犬同士が楽しいのが一番だからね。楽しく撮れる雰囲気とか状況があれぱだけど、日々の散歩ではなかなかね。もし、撮れるようなことがあれば、博士にも見せてあげるね。」
博士
「うむ。そのときは、で構わんぞ。写真がなくても、また楽しい出会いがあったら教えてくれ。」
のぞむ
「うん!じゃさすけ、帰ろうか。」
って、もう飽きてます?」
博士
「バイバイ、さすけ。
って、もう飽きとる感じじゃな。」
さすけ
「(うーん、このまったりした感じが心地いいだけなんだけど、うまく表現出来ないなぁ。)」