posted on 2014年5月14日水曜日

日米エース論




博士
「MLBは日本人投手の活躍が続くな。」


のぞむ
「岩隈、良かったねえ。相手エースとの投げ合いにも一歩も引かず、最少点差の1-0で8回97球。」


おかだ
「さすがやね。持ち味を十分に出しとるな。クローザーが打たれるも、本人は納得なんやろな。」


博士
「岩隈に関してはメジャーに行ってよかったよな。日本じゃ野村監督に『エースとしての自覚がない』呼ばわりされていたしな。」


のぞむ
「当時はチーム事情もあったけど、今だって星野はきっと『完封せい!』って言うんだと思うよ。」


おかだ
「8回97球でお腹いっぱいって言われるとな。クローザーもたまたま打たれただけだからヘーキヘーキ、みたいな風潮は、ファルケンの抑え失敗にピリピリしとるチームにはないよな。」


博士
「メジャーはもちろんチームの勝利は第一じゃろうが、各々の責任をどれだけ果たしたかが評価対象として大きいからな。各々の責任とチームの結果に関して、一線を引いておるのは野球だけでなく、日本と異なる考え方じゃな。」


のぞむ
「日本じゃ、エースの魂の完投勝利で、打線に火は点くは、ブルペンも気合入るは、次の先発へのバトンタッチだの、いいことづくめだもんね。」


博士
「因果関係が実証されとるわけじゃないが、ファンもそういうの好きじゃしな。」


おかだ
「田中の160球+15球で日本一を勝ち取った、とかなw」


のぞむ
「どっちがいい、悪いじゃないけど、どっちに合う合わないは人によってあるよね。田中に関しては対応力がハンパないから、今のところうまく行ってるけどさ。」


博士
「松坂なんかはうまく行かなかったいい例じゃな。沢村賞以上の”甲子園投手”じゃからな。」


おかだ
「勝っても完投、負けても完投。チームの浮沈も背負って投げることがエースとしての責任やからな。」


のぞむ
「岩隈なんかは、弱いと分かって楽天を選んだ男気とかはあったけど、肩の故障もあったし、いわゆる昔からの”エース”のように自分が身を粉にすることが最善じゃなかったんだよね。楽天時代に批判もあったけど、それを貫いて自分からメジャーへの道を切り開いて、そのスタイルで成功へ歩んでいるんだから、そういう自分を活かす道を見つけられたことがスゴイよね。」


博士
「価値観の多様化じゃよな。確かにメジャーを単にNPBの上位リーグとして実力を試したいというだけでなく、自分をより活かせる場と考えて、メジャーという選択肢を捉えるというのは、これまでにはなかった発想じゃよな。」


おかだ
「活かせるだけの実力があるのはもちろんな。」


博士
「そうじゃな。野球としての質は違うかもしれんが、一打席ごとの勝負に関しては、メジャーのほうが迫力もあるし、そこに立てる資格があってこその選択肢じゃがな。」


のぞむ
「大谷Show Hey!の二刀流も形になってきたねえ。」


おかだ
「将来メジャー行くんやろか? 確かにメジャーはぎょうさんホームラン打つピッチャーもおるけど、大谷の二刀流の完成像とはまた違うのかもしれんで。」


博士
「メジャー流出の前に、大谷の二刀流を目指すルーキーが出てくると、また状況も変わってくるかもな。エースで四番の甲子園出身者には、ええ選択肢になるかもしれん。」


のぞむ
「甲子園は好きだし、それこそ外国にはない育成システムだから、末永く続いて欲しいなあ。なんでもかんでも国際化もどうかと思うし。」


おかだ
「逆に甲子園を目指さずにメジャーやNPBを目指す道も出来てくるかもしれんな。サッカーのユースみたいに。」


博士
「実際、言われていたり取り組んでいる子もおるんじゃろうが、まだ市民権は得ておらん状況かな。高校野球もドロップアウトする子も多いんじゃろうから、甲子園だけが狭き門となるより裾野は広がると思うがの。」


のぞむ
「沖原ニキみたいにねw」


おかだ
「子どものころからどの選択肢に特性が合うかは分からんけど、挫折に弱い子も増えとるやろからなあ。伸び伸び育成が合う子もおるやろし。」


のぞむ
「ま、普通の人は特待生→プロの道しか選べないのかもしれないけどさ。ユースとかお金もかかるし、メジャー流って這い上がるまで稼げないしね。まして公康に捨てられて母親がなけなしのお金でグロエリのグラブを買ってくれる沖原ニキには・・・」


博士
「これこれw ルーズヴェルト・ゲームの登場人物は関係ないぞ。」


おかだ
「社会人野球って選択肢もプロに行けない人って印象が圧倒的やけど、もっと違った見方になってもええんちゃう?」


のぞむ
「でも、あんまりいろんな価値観が増えると、振り回されちゃうね。」


博士
「そうじゃな。じゃから、岩隈のような自分の特性を知り、それを活かす場を見つけられる判断力を養うことが大切じゃな。また、田中やダルビッシュのように、どこへ行っても実力を発揮できる対応力も必要じゃ。実力がありすぎるから世界のトップレベルまで行ってしまったが、それこそどのレベルにいても、対応せねばならんことも必ずあるからな。」


のぞむ
「メジャー向きの選手もいれば、NPB向きの選手もいるし、社会人向きの選手もいるってことかな?」


博士
「ま、そういうことじゃな。ファンとして見るのもそうじゃし、野球でなくても自分の人生もそうかもしれんな。」


おかだ
「やきうは人生なんやなあ。やっぱり野球は最高や!!」


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